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フランチャイズに必要な開業資金はどのくらい?

このページでは、保育園の経営をフランチャイズで始める際に必要な開業資金について、分かりやすくまとめていますので参考にしてください。

業種別の開業資金目安

現在、フランチャイズとして展開されているお店やサービスには様々な種類がありますが、当然ながら業種や店舗形態などによっても必要な開業資金の額は異なります。

フランチャイズ経営に関する資料としては、経済産業省商務情報政策局が平成19年11月~12月に、日本全国1200の事業者や社団法人日本フランチャイズチェーン協会などを対象として行った実態調査報告書が参考になるでしょう。

この「フランチャイズ・チェーン事業経営実態調査報告書(平成20年3月)」によれば、一般的なフランチャイズ・チェーン事業において必要とされる開業資金の目安は、業種別に以下のようになっています。

なお、業種に加えて、店舗を誰が用意したかによっても開業資金が異なる点に注目です。

一般論として、事業主が店舗を用意した場合の方が、開業資金は高額になる傾向があります。なお、サービス業に関しては加盟金や保証金、研修費などを除いて「その他の資金」が金額を底上げしている要因でした。

参照元:(pdf)経済産業省商務情報政策局サービス政策課「フランチャイズ・チェーン事業経営実態調査報告書(平成20年3月)」

開業資金の内訳とは?

上記の開業資金ですが、実際には様々な費用が合算されたものであるという点が重要です。

一般的な開業資金の内訳をご紹介します。

加盟金・保証金

加盟金とは、フランチャイズ本部へ加盟・登録するための費用です。また、保証金はロイヤリティの支払いが滞った場合に備えるためのお金で、基本的には加盟金と同じタイミングで発生します。

加盟金や保証金の金額設定はそれぞれのフランチャイズによって変わりますが、「フランチャイズ・チェーン事業経営実態調査報告書(平成20年3月)」によれば、全体的な金額の平均は以下のようになっています。

フランチャイズ本部が店舗を用意した場合の方が加盟金・保証金ともに安くなるという理由は、事業を撤退する時にその店舗などがフランチャイズ本部の財産として引き上げられるからと考えられるでしょう。

なお、フランチャイズによっては「加盟金0円」というケースも存在しますが、その場合は売上げに応じたロイヤリティなどの割合が高くなる可能性があるため、総合的なコスト計算が必要です。

物件取得費と改装費

店舗をフランチャイズ本部が用意してくれる場合、物件取得費や改装費を加盟店側が支払う必要はありません。しかし自分で物件を用意する場合、それらの費用も自分で支払うことになります。

また、物件を賃貸によって取得する場合、最初の契約時に敷金・礼金、保証金といった費用が発生し、さらに内外装の改装工事や設備工事のための費用もかかります。

研修費

業種や本人の経験に応じて、フランチャイズ本部において研修を受けなければなりません。

研修費はおよそ全ての業種においてそこまで大きな金額差はなく、自分で店舗を用意した場合の平均額が44万円程度、本部が店舗を用意した場合の平均額が29万円程度となっていました。

スタッフの採用人件費

自分一人で経営できる業種であればともかく、実際には店舗運営に必要な人員をそろえなければなりません。必要な人材や人数は事業開始前にそろえておかなければならず、人材募集や採用については開業資金として考える必要があります。

その他の費用

上記の他にも、開業資金にはホームページの制作や広告宣伝費、本部が提供する専用システムの利用料など様々なものが考えられます。

業種やフランチャイズによって必要な金額は変わり、さらに利用できるサービスやオプションなども変わってくるため、契約前にそれぞれのフランチャイズを比較検討しながらコストメリットを考えておくことが大切です。

フランチャイズ経営の開業資金を調達する方法とは?

フランチャイズによる保育園経営を始めるために、開業資金を用意しなければならないとして、その資金調達の方法には複数のパターンがあります。

銀行など民間の金融機関からの融資

フランチャイズであれ個人経営であれ、何かしら事業を始めようと考えた際に活用できる資金調達の代表例が、銀行や信用金庫といった金融機関からの融資です。

銀行などから融資を受けられるローンには様々な種類のものが用意されていますが、特に事業資金や開業資金を目的として活用される融資は「事業者ローン/ビジネスローン」などと呼ばれています。

個人がビジネスローンを利用したいと思った場合、まず地元の金融機関や取引先の銀行などに相談して、融資の申し入れを行います。その上で、どのような事業を始めたいのか、具体的な経営プランやコストのシミュレーション、予測される収支といったデータを事業計画書としてまとめて提出し、その事業の採算性や信頼性について金融機関のローン担当者から審査を受けることが必要です。

フランチャイズで保育園を経営する場合、事業ノウハウや日常的なリスク管理についてフランチャイズが多角的にサポートしてくれるため、初心者がいきなり経営を始める場合よりも銀行の印象は良いかも知れません。ただしフランチャイズ経営ではロイヤリティが発生するため、ロイヤリティとローンの返済金の両方をまかないながら、さらに事業を続けていけるだけのキャッシュフロー予測を提示することがポイントとなります。

日本政策金融公庫(日本公庫)からの融資

日本政策金融公庫(日本公庫)は、国が母体となっている政府系金融機関であり、民間の銀行などと同様に新規開業者への事業者ローン/ビジネスローンも用意しています。

行政が主体となっている融資であり、民間の銀行のように採算性や収益性を最優先に考えるという金融機関でもありません。そのため、銀行ローンの審査に落ちた場合でも、日本公庫の融資であれば審査に合格できる可能性はあります。

ただし、日本公庫の融資を受けるには以下の条件を全て満たしていることも必要です。

国や自治体が実施している補助金・助成金・支援金制度

国や地方自治体は、新規開業者や事業者を支援する目的で様々な補助金や助成金、支援金といった制度を用意しています。

特に中小企業向けの制度もあり、中には貸与でなく給付で返済不要の支援金を受けられることもあります。

ただし、どのような制度が用意されているかは自治体によって変わるため、まずは自分が暮らす地域や事業を開始するエリアの役所へ問い合わせてみましょう。また、それぞれの制度には必ず条件や目的があり、それに合致していなければ利用できません。そのため、フランチャイズ経営に活用できるかどうか、事前に問い合わせて確認することも大切です。

開業資金も含めて計算した上で事業計画を立てよう

フランチャイズによる保育園経営を始めるに当たって、どれくらいの開業資金が必要であり、どのように費用を調達するかは、事業開始後の安定した経営を左右する重要なポイントです。

最初に開業資金の内訳や総額をしっかりと確認した上で、具体的なキャッシュフローをシミュレーションしていきましょう。

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