保育園フランチャイズ経営の注意点
保育園の経営でフランチャイズを選択した場合、どのような点に注意するべきでしょうか。フランチャイズ経営における注意点や確認するべき点をまとめました。
フランチャイズ経営で失敗しやすいこと
一般的なフランチャイズを事例に解説します。経営において実際に失敗しやすいことを把握して、契約前に確認するようにしましょう。
契約書の確認不足
フランチャイズというのは、たくさんの加盟者がいて、全体でブランドイメージを大切にしています。そのため、フランチャイズの契約書は、全店舗のブランドを守るための契約書になっていることがほとんどです。
そのため、何かトラブルがあった時に違約金や損害補償金が発生するほか、仕入れや金銭に関する内容に関して、企業側に強い権限を持たせる場合もあります。
契約を結ぶ前に、初期費用やロイヤリティだけでなく、ペナルティも含めた金銭的な問題確認は必ず行いましょう。
また各社の契約には、契約期間、更新についてなども規約に記載されています。途中解約した場合や、契約終了して事業を辞める場合なども考慮して、どのような金銭や責任が発生するのかなども、契約前にしっかりと確認しておきましょう。
契約や内容更新ごとに確認しよう
契約期間にかかわらず、必要に応じて契約内容の一部改正をすることがあります。すでに締結されている契約内容の中に関連項目がある場合、その項目についても内容を双方で確認するのが安全な方法です。
シミュレーション不足
フランチャイズ加盟を考えた場合、契約前の説明で経営シミュレーションを提示されるでしょう。日本全国どこでもそのシミュレーションが当てはまるとは言えません。人口や都市開発など、その土地によって費用や売り上げの差が発生する要因が必ずあるので、平均的なシミュレーションを鵜吞みにするのは危険です。自分が保育園を開園したい地域の事情を考慮されたシミュレーションかを確認し、不足を感じる場合は改めて提示依頼をすると良いでしょう。
外部専門家に相談する
もし今の段階で保育業界に詳しくなく、シミュレーションの理解が難しい場合でも、フランチャイズ会社のシミュレーションを鵜呑みにせず、専門家に相談しましょう。本当に経営が苦しくならずに済むか、長期経営に無理がないかをしっかりと確認してスタートするべきです。
経営者としての自覚
フランチャイズは基本的に本部の運営に従って経営するものです。だからと言って、本部の指示があることだけしかやらないのは失敗の原因になり得ます。
フランチャイズなので、本部の方針に従いながら、自ら考えて保育園の経営をしていくことは大切です。その上で「経営者は自分」なんだという自覚をもって、保育園を運営していきましょう。
契約書で確認しておくべきこと
保育園フランチャイズを契約するにあたり、必ず確認しておくべきことを解説します。
本部への支払義務について
初期費用や毎月のロイヤリティ、研修費、システム使用料など、加盟するフランチャイズチェーンにより必要な支払い項目も変わってきます。契約前に、シミュレーションで提示された計画に必要な支払いがしっかりと盛り込まれているか、確実に確認してください。
契約期間・更新について
フランチャイズ契約には、それぞれ契約期間があり、期間ごとに更新をすることが一般的です。契約期間は何年なのか、更新時に支払う更新費用はいくらか、別途必要な費用が発生するのか、途中解約になった場合の解約金について、いつが起点となるのかなど、できるだけ詳しく確認するようにしましょう。
違約金について
フランチャイズのルールを破ってしまったり、何か損害を出してしまったりした場合には、違約金の支払い義務が発生することも。この違約金についても、どのような項目があって、どのくらいの費用が発生するのか確認しましょう。
普段の経営からルールを徹底する
プライバシー保護の動きが加速するなか、情報漏洩問題は企業にとってとくに大きな問題となっています。個人の学歴や職業、連絡先など、一昔前なら気軽に教えていた内容が、今では守秘義務の対象となることも。保育園も例外ではなく、ちょっとしたことが保育園、ひいては企業イメージを損なう場面に発展する可能性があります。
情報漏洩だけでなく、普段から気を付けておきたいことをルール化し、従業員にも徹底してもらうよう指導するのが経営者の役目の1つと言えます。
不明なことは第三者に相談
フランチャイズ経営についての注意事項は、金銭に関わることも少なくはありません。その金額が適正なものか、判断が難しい場合には、積極的に弁護士などの第三者に相談しましょう。