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設置基準

保育園の開業・経営を目指すなら知っておきたい、認可保育所・小規模認可保育園の設置基準をまとめました。

設置基準から見る保育園開業のメリット・デメリット

これからの保育園開業を検討されている方に、メリット・デメリットを紹介。都道府県別の設置基準にも触れています。

メリット

開業を保育施設だけでなく幅広い事業で考えた場合、保育園の開業はほかの事業と比較して初期投資が少ないこと、また認可保育園であれば補助金によって大きな資金源を得られることなどが挙げられます。

また、物販などのように在庫を抱えることがないため、リスクが小さい事業であることも保育園開業のメリットです。

さらに幼児教室や習い事とは異なり、一度入園したら卒園まで在園してくれる家庭が多いので、安定した運営が見込める点なとも、保育園開業のメリットだといえるでしょう。

習い事は都合によってやめてしまう人が多いですが、保育園は根本的な位置づけは違うものの、幼稚園のように未就学児の教育施設も兼ねているので、小学校入学まで在園するのが当然といった感覚になっています。

また、少子化や教育におけるさまざまな問題が取り沙汰されている現代において、理想的な保育園を作ることは、社会貢献に大きく役立つという点も、保育園開業の利点です。

デメリット

保育施設にはさまざまな形態がありますが、認可保育園の場合はさまざまな設置条件を満たさないと認定されない、認定までに時間と労力が必要だというデメリットがあります。

認可保育園の設置基準については別の項でご紹介していますが、設備については乳児室と保育室、医務室、調理室、トイレ、園庭を用意する必要があります。

乳児室は1人の子どもにつき3.3㎡以上の広さがあること、保育室であれば1.98㎡以上、園庭は3.3㎡以上の広さを確保しなければならないなど、かなり細かいです。さらに災害に対応するための設備も準備しなければなりません。

また、認可外保育園は開園までのステップは少ないものの、認可保育園と比較すると園児が集まりにくいというデメリットが。

また、子どもを預かるという重要な事業であるため、事故などで一度信頼を失ってしまうと、信頼を取り戻すことが非常に難しいというリスクもあります。

保育園の開業を経て運営するにあたり、経営者だけでなく保育士への指導もしっかり行わないと、経営難に陥ってしまうことも考えられます。

出典:(PDF)小規模保育園設置基準(平成25年8月現在)[PDF]

都道府県別の設置基準の規制と緩和

認可保育園を開業するためには、施設や保育士数などさまざまな設置基準が設けられています。

これらすべての基準を満たすことが難しく、スムーズな認可保育園の開園ができずに保育所不足が慢性化していることを受け、厚生労働省では設置基準を緩めて保育園が開業されやすくなるような対応を検討しています。

例えば厚生労働省では、保育施設における避難用の屋外階段の設置において、建物の4階以上に保育室を設置する場合には、必ず屋外避難階段を設置することが義務付けられていました。

これを「屋外傾斜路」や、「特別避難階段に順じた屋内避難階段」、さらに「特別避難階段」を新たに認め、保育園建設のハードルを下げ、保育園を開業しやすいように基準の緩和を行っています。

そのほか厚生労働省では、「国または地方公共団体以外の者から不動産の貸与を受けて季節法人が通所施設を設置する場合の要件緩和について」の通知を出し、これらに基いて川崎市や横浜市、千葉市などでは保育園建設用地の基準緩和を取り入れています。

こうした規制緩和によって保育園開業のハードルが下がる一方で、先にご紹介した施設内の広さにおける最低基準がかなり低いことから、快適な保育ができていないと感じる保護者や自治体も多いようです。

規制を緩和するだけではなく、適性な保育園を開業できるよう、自治体の補助金の充実やサポートを求める声も上がっています。

参考:(PDF)保育分野における規制改革[PDF]

参考:(PDF)国または地方公共団体以外の者から不動産の貸与を受けて季節法人が通所施設を設置する場合の要件緩和について[PDF]

参考:(PDF)不動産の貸与を受けて保育所を設置する場合の要件緩和について[PDF]

認可保育所の設置基準

認可保育所とは、児童福祉法に基づいて設置された児童福祉施設。国が定めた設置基準(施設の面積・職員数・設備・衛生管理など)をクリアし、都道府県知事に認められた施設となります。

認可保育所には公立(市区町村が経営)と私立(個人や社会福祉法人などが運営)があり、どちらも公費の補助が受けられます

預かり対象となるのは、保護者が仕事もしくは病気などの理由で保育が難しい0歳~小学校就学前の子ども。入園の申し込みは各園ではなく、各自治体に対して行います。そんな認可保育所の設置基準は以下の通りです。

入所対象 0歳~小学校入学前の児童(2歳未満1割以上、3歳未満2割以上)
定員 60名以上
職員数
  • 0歳児おおむね3人につき1人以上
  • 1歳児および2歳児おおむね6人につき1人以上
  • 3歳児おおむね20人につき1人以上、
  • 4歳以上児おおむね30人につき1人以上
資格 保育士(保健師または看護師の特例あり・1名まで)
保育室等の設備
  • 乳児室またはほふく室:0歳児および1歳児1人あたり3.3m2
  • 保育室等:2歳児以上1人あたり1.98m2
  • 屋外遊技場:2歳児以上1人あたり3.3m2以上(保育所外の公園等を含む)
給食

自園調理または委託

小規模認可保育園の設置基準

2015年度より施行された「子ども・子育て支援新制度」にて、新たに認可事業となった小規模認可保育園。地域型保育の1つで、少人数での保育を提供する保育施設です。

小規模認可保育園は3つのタイプに分類されており、それぞれ設置基準が異なります。

A型は認可保育所の分園からの移行を想定したもの。C型は家庭的保育者(保育ママ)のグループ型で、B型はAとCの中間型となります。

A型は保育者全員が保育士であり、B型は保育者の半数が保育士であればOK。C型に関しては、保育者すべてが無資格でもよいとされています(ただし経験や実績などの条件を考慮)

そんなさまざまなタイプを持つ小規模認可保育園の設置基準は以下の通りです。

小規模保育園 A型(認可保育所の分園型)の設置基準

入所対象 0~2歳児
定員 6~19名
職員数 認可保育所の配置基準+1名
資格 保育士(保健師または看護師の特例あり)
保育室等の設備
  • 乳児室またはほふく室:0歳児および1歳児1人あたり3.3m2
  • 保育室等:2歳児以上1人あたり1.98m2
  • 屋外遊技場:2歳児以上1人あたり3.3m2以上(保育所外の公園等を含む)
給食 自園調理(連携施設等からの搬入可)

小規模保育園 B型(中間型)の設置基準

入所対象 0~2歳児
定員 6~19名
職員数 認可保育所の配置基準+1名
資格 職員の1/2以上が保育士(保健師または看護師の特例あり・研修あり)
保育室等の設備
  • 乳児室またはほふく室:0歳児および1歳児1人あたり3.3m2
  • 保育室等:2歳児以上1人あたり1.98m2
  • 屋外遊技場:2歳児以上1人あたり3.3m2以上(保育所外の公園等を含む)
給食 自園調理(連携施設等からの搬入可)

小規模保育園 C型(家庭的保育者(保育ママ)のグループ型)の設置基準

入所対象 0~2歳児
定員 6~10名
職員数 0~2歳児3人につき1人(補助者を置く場合5人につき2人)
資格 家庭的保育者(市町村の研修を受けた保育士、保育士と同等の知識・経験を有すると認められた者
保育室等の設備
  • 乳児室またはほふく室:0~2歳児いずれも1人あたり3.3m2
  • 屋外遊技場:2歳児以上1人あたり3.3m2以上(保育所外の公園等を含む)
給食 自園調理(連携施設等からの搬入可)

小規模認可保育園を開業するには→

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