プログラミング教室
ここでは、プログラミング教室を開業するときに必要なスキルや資金などについて詳しく解説します。
プログラミング教室とは
近年、著しい需要の増加を見せているのが、子どもを対象とするプログラミング教室です。2020年には小中学校でプログラミングが必修となり、今後更なる市場の拡大が予想されています。
「2020年子どもの年末年始に関する調査アンケート(イー・ラーニング研究所調べ)」では、プログラミング教室は、子どもの習い事として保護者から多くの人気を獲得。話題になった習い事、させたい習い事の2項目で2位にランクインしています。これは英語・英会話スクールの次にくる順位で、学習塾や通信塾を上回る結果です。
※参照元/PR TIMES:子どもがいる親世代に聞いた「2020年子どもの年末年始に関する調査アンケート」子どもにさせたい習い事は「英語・英会話スクール」「プログラミング教室」が人気!
プログラミング教室を開業するには
開業方法は3タイプあります。それぞれにメリット・デメリットがあり、その中から自分の条件に合っているものを選択すると良いでしょう。
個人経営タイプ
学習塾と同じような形式で、プログラミング教室の運営を行います。起業に伴い、プログラミングに関する知識の習得のほかには、事業計画の作成や資金調達、集客活動などを自身で行う必要があります。少ない労力で起業したい方には、不向きかもしれません。人の力を借りない代わりに、上手くいった場合は開業費用が安く済みます。
フランチャイズタイプ
フランチャイズ本部によるサポートを受けられます。テキストの用意や指導といったサポートがある場合は、自分ひとりで行うよりも開業がスムーズです。ある程度の予算があってすぐに起業したい方には、有力な選択肢と言えます。ただし加盟料が発生するので、運営費は高くなるでしょう。
オンラインタイプ
オンラインで完結するプログラミング教室です。インターネットが使用できる環境があれば授業が行えるので、生徒に通学してもらう必要がありません。賃料をはじめとした経費が安く済むので、起業する側は費用を抑えることができます。生徒側は通わなくて済むので受講しやすいでしょう。デメリットは競争が激しいこと。気軽に始められる代わりに、新規参入者も多いです。
プログラミング教室を開業するために必要な知識・技能
プログラミング教室では、プログラミングの知識に加えて、子どもに教える能力も求められます。
プログラミングの知識
プログラミングに関する資格や免許を取得する必要はありません。ただし、授業を行うためのある程度の知識は不可欠。プログラムには数種類の言語があり、できれば複数の言語の知識を身に付けておきたいところです。
プログラミングを習得する方法は、スクールに通学するか、独学するかのいずれかです。フランチャイズによっては、映像教材を利用することでプログラミング未経験の方でも授業できる仕組みを採用しているところもあります。
子どもに教える能力
子どもに分かりやすく授業の内容を伝える説明力が必要です。子どもが授業の理解に苦しんでいるときは、細やかなフォローをする心づかいも欠かせません。
子ども向けのプログラミング教室では、授業を通して論理的な思考・主体性・想像力などのスキルアップを保護者が期待している面もあります。授業では、プログラミングスキルだけでなく、子どもを教育する意識も併せて持つことが不可欠と言えるでしょう。
プログラミング教室の開業資金
プログラミング教室の開業資金は、賃料やフランチャイズ契約をするかなど、開業方法によって変わります。
自宅で開業
自宅で授業を行う場合は、費用が安く済みます。生徒にパソコンを持参してもらう場合、備品を用意できれば開業できるでしょう。30万円ほどの予算があれば、快適な環境づくりが行えるはずです。
教室を用意する
テナントを借りる場合の開業資金の目安は、300万円以上です。かかる費用の多くを賃料が占めていて、最初に半年分の家賃を用意する場合があります。
ほかに発生するのは、内装代や備品代、広告費などです。教室を用意するために、ある程度の費用をかけて開業しているので、生徒を増やして収益化を図る必要があります。サイトを作成したり広告費を払ったりして、集客に注力する必要があるでしょう
フランチャイズ
フランチャイズ契約する場合は、500万円ほどが目安となります。費用の内訳は、フランチャイズ加盟金、物件取得費などです。またロイヤリティとして、売上の一部を支払う契約もあるでしょう。
現在は、様々な企業がフランチャイズを扱っています。基本的には費用が安いとフォローが少なく、費用が高いほど手厚いサービスが用意されている傾向にあります。フランチャイズの開業を検討していれば契約内容の細かいチェックが欠かせません。
オンライン
オンラインの場合は、生徒の椅子や机を用意する必要がありません。その為、自宅で開業するよりも費用が安く済みます。
ただしオンライン授業の質を高めるために、パソコン本体やカメラ、マイクなどの設備にはある程度のグレードのものを用意するのが理想です。通信回線も高速にした方が良いでしょう。
プログラミング教室の授業形式
授業形式は、講義型と個別指導型の2つです。
講義型
複数の生徒に対して授業を行うスタイルです。個別指導と比べると、自分のペースで授業を行いやすく質疑応答にかかる時間が限られます。生徒側は、周りに人がいることで競争心が芽生えやすくなるでしょう。
ただし、生徒一人ひとりの理解度を正確に把握する点では、個別指導には劣ります。生徒側にとっては、質問したくてもできないような場面が発生しやすいことがデメリットになるかもしれません。
個別指導型
個別指導型では、生徒の理解度に合わせて授業を進めていきます。生徒は自分のペースで学習でき、講師に不明点を質問しやすいです。
1回の授業あたりの収入では講義型に及びませんが、それは生徒が確保できていることが前提条件となります。プログラミング教室を開業して間もないタイミングでは、信頼を得て生徒を増やすことが重要です。生徒の理解度を把握しやすい個別指導型の方が、起業難易度は低くなります。
プログラミング教室の開業で成功するには
プログラミング教室は需要の増加が期待できるジャンルです。一方でライバルの増加も考えられるため、開業での成功を目指すには、工夫が必要になります。
具体的な計画を立てる
プログラミング教室を起業するにあたって、開業方法や達成したい生徒の人数、教室が目指している方向性など、決めることは沢山あります。生徒を集めるにしても、小学生の低学年と高学年のどちらを対象にするかで授業内容が大きく変わります。
方針が曖昧では、行き当たりばったりの結果になりかねません。計画を綿密に立てることで、進むべき方向が明確になります。
エリアマーケティングを行う
エリアマーケティングとは、地域の特徴を分析して、そのエリアで適したアプローチを行う手法です。例えば、オンライン型でないプログラミング教室では、距離が重要な要素となります。生徒の定着率を上げるためには、子どもが通いやすい立地に教室を設けることが必須です。
エリアマーケティングに力を入れることで、現状をより正確に把握できます。費用対効果の高い集客を目指すには、地域の分析が欠かせません。
他社との差別化を図る
時間の経過とともに、競争の激化が予測されているプログラミング教室市場。成功するためには、希少性の高い特徴をつくり出せるかが大きなポイントです。
ライバルが集結している年齢層以外をターゲットとする、女児向けのプログラミング教室にするなど、他にはない戦略を立てることがチャンスにつながります。