塾
学習塾を開業するために必要なものと、資金の目安についてまとめています。
塾とは
塾とは、一般的に学習塾を指します。放課後に児童が塾の施設へ通い、学習の補助・学力の向上・受験対策に向けた勉強を行います。受験対策に特化した塾は、進学塾とも呼ばれます。すべて私設の教育施設で、公立の施設はありません。
以前は学校のように数人~数十人の生徒に教師1人がつき勉強を見る形式でしたが、現在はさまざまなスタイルがあります。
塾の種類
数人~数十人の生徒に教師1人がつく、学校と同じような指導スタイル。学習の基礎を学ぶもの・学校の授業内容に合わせた復習や予習・受験対策など、オールマイティーに指導を実施します。生徒同士がライバル意識を持ち、積極的に学習に取り組めるのが特徴。
生徒1~2人に教師1人がつく、家庭教師のようなスタイル。生徒1人1人の学習レベルや苦手分野に合わせた学習を行うため、より内容の濃い指導が期待できます。「集団学習スタイルだと緊張してしまう」「人の目が気になって集中できない」という子どもも多く、個別指導のニーズは高まっています。
集団指導の少人数版で、5人程度の生徒に教師1人がつくタイプ。個別指導と集団指導のメリットを活かしたスタイルです。成績によってクラス分けして生徒のレベルを合わせている塾もありますし、まったくバラバラのケースもあります。
パソコンを使用し、映像を見ながら学習を進めるスタイル。有名進学塾の講義映像を使うなど、塾によって特色があります。教師やスタッフなどの人件費を抑えることができ、近年増加している塾のスタイルです。
塾を開業するには
塾を開業するのに特別な資格・認可は必要ありません。税務署への開業届を出すだけで、いつでも誰でも開業することが可能です。
教師や講師を雇用せずに自分1人で教えるのであれば、テーブル・イス・ホワイトボードなど必要最小限の設備だけでOK。開業資金もほとんどかかりません。しかし、ある程度の規模の塾を開業するとなると、それなりの開業資金が必要となります。開業に必要な設備・備品は以下の通り。
- 施設費:敷金・保証金・前家賃など
- 備品:机・イス・ホワイトボード・ロッカー・棚など
- 電化製品:パソコン・電話・複合機など
- 外装:看板・カッティングシートなど
- 広告宣伝費:チラシ・パンフレット・ホームページ作成など
- その他:テキスト・文房具など
初期投資額としては、200万円くらいが目安。比較的大きな備品(机・イス・ロッカーなど)は、リサイクルショップやリースを利用すればもっと安く済むことがあります。
ただし、これは個人で開業した場合。フランチャイズなどに加盟した場合はさらに100~300万円ほどの資金が必要となります。
塾経営における注意点
学習を教えられるだけの知識・経験・ノウハウを持っていれば、個人で塾を開業することも可能です。しかし、相当な実績がなければ生徒を集めることは難しいですし、個人では日に日に変わる教育情報・教育制度・受験環境への対応も難しくなってきます。
では人材を雇用する場合はどうでしょうか。優秀な教師を雇えればそれだけ知名度・集客率は高まるかもしれませんが、それ相応の人件費が必要です。また、少子化による絶対数の減少も課題となっています。
そして何より、現代の塾のトレンドは個別指導。最低でも、少人数・グループ学習です。1人1人に合わせたキメ細やかな指導が求められているため、1人だけではどうしても対応しきれないのが現状です。また、大手の学習塾・進学塾は多数のデータを持っているのも強み。個人だけで大手に太刀打ちするのは難しいかもしれません。