ベビーシッター
ベビーシッターの起業
ここでは、ベビーシッターとして起業したい人が知っておくべき、開業資金や経営方式、成功のためのポイントについて解説します。
ベビーシッターで起業するには
ベビーシッターの起業方法として主となるのは、個人事業主として仕事を受注するもの。ベビーシッターは国家資格取得不要で開業できるため、他の事業と比較すると始めやすさという点で強みのある事業です。
個人事業主として開業する場合、SNSやHP、ベビーシッター関連のマッチングサービスを活用しながら集客を行います。なお法人として開業する場合は、法人の設立に関する手続きを済ませたのち、集客や営業、仕事の受注、経理業務などに移ります。
開業資金という点でも他の業種と異なり、比較的低コストです。
ベビーシッターで起業するために必要な知識や技能
業務独占資格など不要なベビーシッターですが、未経験で起業できるほど簡単な仕事ではありません。個人事業(フリーランス含む)や法人として開業しているベビーシッターの多くは、以下のような資格を持っているか、実務経験を積んでいます。
- 元保育士
- 元看護士
- 元助産師
- 元幼稚園教諭
ベビーシッターは子供を預かる仕事のため、安全への配慮や医療関係や育児などの知識や技能なども必要です。現時点で未経験の場合は、保育施設などへ勤務しながら専門知識を学ぶことがおすすめ。
利用者としても、まったくの未経験・無資格者より、子どもに携わる何らかの資格をもっている人の方に安心感を抱きやすいため、厳密に資格が求められていなくとも、実際に起業するためにはこういった知識・経験が不可欠となってきます。
ベビーシッターの開業資金
ベビーシッターの開業資金は、他の業種と比較すると低コスト。ただし事務所を用意する場合や法人設立、その他備品類を用意しなければいけない場合一定の資金を準備しておかなければなりません。
個人事業主として起業する場合は小資本で始められる
個人事業主として起業する場合は、極端に言えば開業資金0円で済ませることも可能です。自宅で開業できるため、自宅の家具や固定電話もしくは自身のスマホで、保育環境と連絡手段を整えられます。
しかし、起業直後は誰もベビーシッターサービスを認知していません。
ベビーシッターサービスの認知を増やすこと、仕事の受注量を増やすためには、宣伝や営業活動が必要となります。ここで広告宣伝費や営業費などのコストがかかります。
事業が軌道に乗るまで貯金を切り崩さなければいけない場合もあり、少なくとも生活費3ヶ月分の貯金を用意しておきましょう。
事業に必要な機器類を用意していない場合は別途費用負担
自宅開業も可能なベビーシッターですが、事業に必要な機器類を用意しておかなければ仕事の受注や契約書類の作成、会計処理などを進められません。
少なくとも、
- パソコン
- 会計ソフト
- プリンター
- インターネットの接続環境
- 事業用に用いることが可能なスマホや固定電話
といった備品の準備を進めておく必要があります。
HPで早期の集客を目指す場合は、HP制作会社へ本格的なWebデザイン制作を依頼するのもおすすめ。HP制作は個人でワードプレスを用いながら準備できるものの、デザイン面の調整や細かな機能追加に知識が必要です。
HP制作会社へ依頼する場合は、数十万円程度の予算を確保しておくとよいでしょう。
ベビーシッターの経営方式
ベビーシッターの経営方式は、自宅と訪問の2種類に分かれています。書く経営方式の特長について確認しましょう。
自宅方式
ベビーシッターとして開業する際は、事務所だけでなく自宅でサービスを開始しても問題ありません。自宅開業を重視している方にとってもメリットのある方式です。
ただし自宅でベビーシッターの起業を検討している場合は、子供が安全に過ごせるよう専用のスペースを事前に整備しておく必要があります。
訪問方式
訪問方式とは、ベビーシッターが依頼主の自宅へ訪問し、その場で子供を預かる経営方法のことです。自宅をベビーシッターサービス用に整理する手間が省けます。また自宅を事業所として開業届に登録したくない、第三者に自宅の場所を知られたくないといった場合にもメリットがあります。
ベビーシッターの起業で成功するには
ベビーシッターとしての開業それ自体は比較的簡単です。注力する必要があるのは、事業として利益を伸ばしたり維持したりすること。集客手段の確保からはじまり、サービスの認知度向上や品質向上、他社にはない強みを持つなど、さまざまな工夫と努力を継続する必要があります。
開業前から実績や経験を積み重ねておく
まず、ベビーシッターとしての経験がゼロの場合、保育施設などで勤務を行い実務経験を通して技術を身に付けることが大切。ベビーシッターは子どもを預かる仕事であるため、適切な対応を知っていなければトラブルやケガなどに繋がってしまう可能性があります。
さらに保育や幼稚園など子どもに関する業務経験のあるベビーシッターの方が、顧客から信頼を得やすく受注量増加にもつながります。
ベビーシッターとして起業したいと考えている方は、子供に携わる仕事へ一度就き、経験を積むようにしましょう。
関連資格を所得する
ベビーシッターの開業時に専用の資格取得などは不要です。しかしベビーシッターとして信頼を得たり専門知識を増やしたりする上では、関連資格の取得が大切です。
たとえば、全国保育サービス協会認定の「認定ベビーシッター」という民間資格は、ベビーシッターに必要な在宅保育や個別保育に関する技術や知識について身に付けることが可能。また資格を取得することで、顧客から信頼を得られる可能性があります。
SNSやマッチングサイトなどで仕事の受注先を増やす
ベビーシッターとして収入を得るには、継続的な仕事の受注が重要です。
起業直後は、そもそも自分がベビーシッターのサービスを行っていると認知してもらえていませんし、実績もありません。そこでSNSでサービス紹介や日々の業務に関する宣伝を行ったり、HPでSEO対策しながら集客を行ったりする必要が生じます。
ただ、これらは結果に結びつくまでに時間のかかる方法です。実績を積み重ねていくまではベビーシッターに関するマッチングサイトを軸に事業活動してみるのも一つの手でしょう。
ベビーシッターに関するマッチングサイトとは、ベビーシッターを探しているユーザーとベビーシッターをつなぐ仲介サービスのことで、既にユーザーが集まっているため仕事を獲得しやすいというメリットもあります。
ベビーシッターの起業時に注意するべきポイント
最後にベビーシッターで起業する際に注意すべきポイントを解説します。
都道府県への設置届が必須
ベビーシッターとして開業する際は、開業届の他に居宅訪問型保育事業の届出が必要です。
居宅訪問型保育事業の届出制度は、ベビーシッターの利用を検討している保護者が安心できるよう2015年に制定されました。個人や法人が訪問保育事業を始める際に必ず届け出を提出しなければいけません。
万が一届け出の提出を行わなかった場合は、50万円以下の過料となっています。
ベビーシッターとして起業する前には、開業届出と設置届出の提出準備を行うと良いでしょう。なお、都道府県等の自治体への設置届出を行うと、登録証明書が交付されます。
損害賠償保険へ加入することでリスクに備える
保育中に子供が怪我をするなどの事故発生時は、管理責任について問われ、損害賠償の請求を求められるケースもあります。
事故対策を施すのはもちろんですが、万が一の損害賠償に備えて損害賠償保険への加入を検討してみるのも大切です。損害賠償保険の加入は必須ではありません。
ただし、保育中の不測の事態へ備えるには、事故への対策だけでは不十分です。損害賠償保険は、各民間の保険会社で販売しています。
損害賠償保険の補償内容は、保険商品によって異なります。そのため、ベビーシッターとして保育中の事故に関する補償が含まれているか確認しておきましょう。