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保育園が行うべき保護者支援

保育士による保護者支援とは?

保育士による保護者支援とは、保護者の方々がスムーズに育児を行えるようにサポートすることです。しかし、保育士が家庭での育児に対してでしゃばった態度を取ってはいけません。子どもの生活する環境を、家庭と保育園とでできるだけ同じレベルに持っていくことが重要です。

例えば、家庭では守っているルールを保育園でも守らせていなければ、子どもに対する逃げ道を作ってしまいます。家の中で我慢してルールを守っている分、保育園ではワガママが出てしまうかもしれません。

子どものしつけが上手くいかないと、それだけで保護者の方のストレスを増やしてしまうこともあります。保護者が悩んでいることを事前に聞き取って、内容をふまえたうえで子どもへの接し方を考えるのも保護者支援の大きな役割でしょう。

保護者支援において重要なのは以下の4つの項目です。

保護者とはコミュニケーションを取ったうえで信頼関係を築き、相談を受けた場合には最終的には保護者の自己決定を尊重する姿勢が大切です。

保育園での保護者支援の目的

保護者支援を行う目的は、保護者が子どもに対してきちんと向き合えるようにすることです。保育園に子どもを預ける保護者は共働きの方が多く、日々の仕事や家事、育児で疲弊しています。子どもとのコミュニケーションの時間を増やしたくてもなかなか時間が取れない。子どもが言うことを聞いてくれずにストレスが貯まってしまうなど、様々な悩みを抱えています。

保育士の主な仕事は保育園に通う子どもの保育を行うこと。保護者の方に代わってコミュニケーションを取ったり、生活の練習を行ったりします。しかし、育児に悩む保護者をしっかりとフォローすることも保育士の重要な役割なのです。

保育園と家庭では子どもの様子は異なります。保護者の方には家庭での子どもの様子をヒアリングして、悩みを改善できるように計画を立てなければなりません。子どもの成長や改善が見られたときには、保護者の方と喜びを分かち合うのも大切な仕事の一部です。

保護者支援の内容

子育ての負担を軽減する

保護者支援は保護者の負担を軽減するために行われます。保育園によっては子どもが使うタオルやシーツを持参しなければならないところもありますが、毎回用意するのは保護者にとって大きな負担になるでしょう。

悩みを抱える保護者の話を聞くことも負担の軽減に繋がります。保護者からの相談にはトイレとレーニングに関することや子どもの叱り方など様々です。まずは保護者の気持ちを受け止めて、的確なアドバイスを心がけましょう。このときのポイントは解決方法を提案するだけに留めることです。その方法を実際に実行するのかどうかは保護者の意志に委ねるべきです。

連絡帳から始まる保護者支援

0歳児から2歳児までのクラスに通う子どもには連絡帳が用意されています。この年齢の子どもたちは言語能力が未発達なため、保育士と保護者が密にコミュニケーションを取る必要があるからです。

連絡帳にはまず保護者が子どもの体調や家庭での様子を書き込みます。それに対して保育士が返事を記入します。普段通りの連絡事項のみの場合がほとんどですが、保護者の中には連絡帳を通して育児に対する悩みを打ち明ける方もいるでしょう。

連絡帳で悩みを相談された場合には、お迎えに来た保護者と実際に対話することがほとんどです。連絡帳でのやり取りは文章のみなので、実際の気持ちが伝わりにくく保育士と保護者の間で認識のズレが生じる可能性があるからです。連絡帳への記入は相談のきっかけへと繋がります。直接会って相談しにくいことでも、文章であれば伝えやすいということはあるでしょう。連絡帳に記された保護者からのSOSを読み取ることも保育士の大切な仕事です。

保護者支援を行う際に保育士が注意すること

感情的な伝え方をしない

保護者支援を行う際に保育士は保護者に対して感情的な伝え方をしてはいけません。言うことを聞かない子どもを叩いてしまったという相談の場合、子どもを可哀そうに思って保護者を叱ってしまうのは逆効果です。保護者は悩んだ末に信頼できる保育士に相談しています。感情的な態度を取ってしまっては、逆に保護者を追い詰める結果になってしまうでしょう。

保護者を責めてはいけない

保護者は日々の仕事や家事に翻弄されながら必死で育児を行っています。保育士が保護者を責めてしまっては、保護者の気持ちが否定されてしまいます。保護者支援を行う場合には、保護者の気持ちに寄り添う姿勢が大切です。

最後は保護者の判断に委ねる

保育士が保護者支援でできることは保護者に解決策を提案することです。「保育園ではこうだから、家庭でもこうするべき」と断定してしまったり、提案を必ず実行させることは避けてください。解決策を実行するかどうかの最終的な判断は全て保護者に委ねるのです。保育士も一緒に頑張りますという姿勢を見せることで、保護者の方は安心できるでしょう。

保護者支援の相談事例

保護者からは子どもの癖を直した方が良いのかや、家で食事を食べようとしないなどの相談が寄せられます。例えば、左利きの子どもを右利きに矯正するべきなのかという相談があります。保護者支援では保護者だけでなく、子どもの意志も尊重することが大切です。

この事例の場合は、子どもの自主性に任せて少しの期間様子を見るようにしました。無理に右手で持たせるのではなく、まずは子どもの持ちたいように持たせてみようと提案したのです。右利きへの矯正を提案するのではなく、子どもの様子を見ることで最終的な判斷は保護者に委ねた事例です。

この他にも、連絡帳にて子どもがご飯を食べてくれないと相談してくれた保護者もいます。この相談が気になりお迎えの際に保護者に話をしてみると、子育て支援サービスに相談して解決したとの返事がありました。保護者が自治体の子育て支援サービスなどを利用して、保育士が支援することなく解決できる場合もあります。しかし、子どもがご飯を食べてくれない悩みが解決しない場合には食事の時間を決めて、子どもが食べられる分だけ食べさせるようにと提案する場合もあります。

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