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モンテッソーリ教育

モンテッソーリ教育の概要や具体的な方法についてまとめました。

モンテッソーリ教育とは

モンテッソーリ教育はカトリック系の保育園や幼稚園を中心として行われている教育カリキュラムのひとつです。大脳生理学や心理学、教育学などの側面からアプローチします。

モンテッソーリ教育が提唱されたのは100年以上も前のことですが、現在も国境や文化を超えて支持されている教育方法です。現在、 140ヵ国以上でモンテッソーリ教育が実践されています。とくにアメリカでの人気が高く、全米で3000ヶ所にも及ぶ教育施設でモンテッソーリ教育が行われています。

世界的に有名な企業の創立者をはじめ、偉業を成し遂げた人の多くは幼少期にモンテッソーリ教育を受けていたと言われるほど。日本でも最年少でプロになった棋士がモンテッソーリ教育を受けていたと話題になっています。

モンテッソーリ教育の誕生

モンテッソーリ教育はイタリアの女性医学博士であるマリア・モンテッソーリ氏によって考案された教育方法です。モンテッソーリ氏はもともと携わっていた障がい児教育の一環としてモンテッソーリ教育を開発しました。

モンテッソーリ教育で前提とされているのが 自己教育力という考え方。子ども自身が、自らを育てる力を持っているという考え方です。例えば、子供に歩くことを教えなくても自然と歩けるようになる。大人からのアプローチで言葉を教えなくても、周囲の大人を観察して言葉を話せるようになるなどが『自己教育力』の現れです。

モンテッソーリ教育はもともと、障がいのある子どものための教育として開発されました。しかし現在では、 障害の有無にかかわらず、すべての子どもの教育法として広く支持されています

モンテッソーリ教育の目的は 自立し、有能で責任感と他者への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間に育てることです。モンテッソーリ氏が子ども達を観察した結果から、独特の体系を持つ教具を開発しモンテッソーリ教育が確立されました。

日本では1960年代から幼稚園や保育園でモンテッソーリ教育が取り入れられるようになっています。

モンテッソーリ教育の考え方

モンテッソーリ教育には根源となる3つの考え方が存在しています。この考え方は 『自主性』『敏感期』『整えられた環境』で、身近な存在である親や教師などが最も尊重しなければなりません。

自主性

モンテッソーリ教育において『自主性』は最も重要視されている概念です。一般的に、子どもは何でも一人ではできない存在として社会から捉えられています。しかしモンテッソーリ教育では、自由を基礎としているため、子どもが自分で身の回りのことを自分できることを重要視。自主性を尊重するためには子どもの行動を制限する社会的な概念を取り除かなければなりません。モンテッソーリ教育における教育者は、 子どもが自ら行う行動を手伝うための存在です。それぞれの子どもたちが持つ目的と欲求を満たす手助をすることが、自主性を育むために必要であると考えられています。

敏感期

モンテッソーリ教育では大人の助けを必要とせずに、子どもがなんでも自分でやりたいと思う時期を 敏感期と呼んでいます。モンテッソーリ氏は、「子どもが何をやりたいと思うかは子どもの発達段階によって異なる」と考えていました。

発達段階ごとの敏感期には以下のような事例が存在しています。

  • 言語の敏感期:最初は単語だけだった言葉でも、文法を覚え文章として話せるようになる
  • 足腰の敏感期:落ちたら危険だからと階段や段差に登った子どもを大人が下ろしても、何度も上りたがる

敏感期に見られる子どもの行動は、脳の発達や自分の足の筋肉を発達させるために必要な動作だと言われています。

整えられた環境

子どもには『整えられた環境』が必要であると、モンテッソーリ教育では考えられています。モンテッソーリ氏が提唱する「整えられた環境」には以下の6つの原則があります。

  • 自由
  • 構造と秩序
  • 美しさ
  • 自然さと迫真性
  • 社会的環境
  • 知的環境

これら6つの原則のどれかひとつでも欠けていると、『整えられた環境』には成りえません。

モンテッソーリ教育における教育者の役割は、 子どもに『整えられた環境』を用意することです。教師の役目は子どもたちを積極的に指導することではなく、自主性を発揮するための環境を整えることであるとされています。

またモンテッソーリ氏は、「教師は積極的であるよりも消極的でなければならない」とも考えていました。このように、教師によって整えられた環境の中で自主的に学ぶことで子どもたちは成長と遂げるのです。

モンテッソーリ教育の具体的な5つの方法

モンテッソーリ教育では子どもの成長段階に合わせて、様々な 教具を使い教育を行います。具体的な教育方法には『日常生活の練習』『感覚教育』『言語教育』『算数教育』『文化教育』の5つがあります。

1.日常生活の練習

日常生活の練習ではモンテッソーリ教育において最も基礎的な学習を行います。簡単に説明すると、子どもたちは大人が日常生活の中で行っている動作を行います。日常生活の練習の目的は秩序正しい体の動かし方を覚え、自立心や独立性を育むことです。

モンテッソーリ教育では日常の活動のことを「おしごと」と呼び、毎日の保育時間の中に取り入れています。「おしごと」はまだ0歳の赤ちゃんにも用意されていて、小さな手や指で持てるデザインのオモチャに触れることで、神経や筋肉を鍛えて動きの発達を促すのです。1歳以上の子どもたちは『机を拭く』『洗濯板を使って洗濯をする』『包丁を使って野菜を切る』『ボタンをかける』などの動作を行います。

日常生活の練習では、運動の敏感期を利用して自分の体をコントロールすることを身につけていきます。このときに「やり方を教われば、子どもも自分で出来るようになる」という考え方が重要です。

日常生活の練習で使われる用具は全て子どもが扱いやすいサイズのもの。サイズは小さくとも、物としての機能は大人が使う物と全く同じです。例えば、水を注ぐコップにはプラスチックではなく、落とせば割れてしまう陶器やガラス製のものを使用。本物を使うことで丁寧に扱わなければ割れてしまうといった、日常生活や人との関係の中で大事なことが学べるのです。

2.感覚教育

感覚教育は『長い・短い』など抽象的な感覚を養うことを目的としています。感覚の発達は知的活動の基盤となり、モンテッソーリ教育においてとくに重要視されています。

3歳から6歳の間にとくに発達するのは 『視覚』『聴覚』『触覚』『収穫』『味覚』の五感です。モンテッソーリ教育では、赤ちゃんのうちから五感を通した体験を蓄積し、2歳半からは感覚教具を用いて五感をより一層洗練させます。

感覚教育に用いられる教具には『大』『高低』『太細』などを識別する円柱さし、粗さ滑らかさなどを識別する触覚版、音の高低を識別する音感ベルなどがあります。感覚教具には『対にする』『段階づける』『分類する』の3つの操作が組み込まれていて、『言語・算数・文化教育』の知的教育分野の基礎と位置づけられているのが特徴です。感覚教育を行うことでその後の教育内容をスムーズに吸収できるようになります。

3.言語教育

言語教育はコミュニケーションに必要不可欠な言葉のボキャブラリーを豊富にすることを目的としています。モンテッソーリ教育における言語教育の特徴は『話す』『書く』『読む』だけでなく『文法』や『文章構成』まで学ぶことです。

具体的には絵カードや文字カードを使って語彙や文法を学びます。『りんごの絵』が書かれたカードと『りんご』と文字が書かれたカードを合わせたり、文字の書かれたカードを並び替えて文章を作ったりします。

言語教育は言葉の発達段階に合わせてステップを踏んで行われるのが特徴です。最初は簡単な絵カードを使って単語を覚え、語彙が増えた時点で文字カードに切り替えて文法の学習を行います。文字に興味を持ち出したら絵カードで物の名前と文字を一致させ、語彙が豊かになったら最終的には文字カードで文法を学ぶのでスムーズに学習が進みます。

絵カードや文字カードを用いることで、接続詞や助詞などを早い段階で習得できるのが大きなメリットでしょう。

4.算数教育

算数教育ではただ数の数え方を学ぶのではなく、数量が具体物で表され実際に触れられる教具を用いて行われます。一般的な保育園などで行われるのは1から10までを数える程度なので、より高度な教育を取り入れていることがわかるでしょう。

算数教育で用いられる代表的な教具には算数棒やビーズがあり、教具を使って『銀行ごっこ』や『両替あそび』が行われます。

例えば、10個のビーズを10の棒状ビーズ1本と交換し、10の棒状ビーズを10本を100のビーズ板と交換、100のビーズ板10枚を1,000の立体ビーズ1つと交換して両替あそびをする。このように教具を用いて遊んでいるうちに、2~3桁の数字を論理的に捉える方法が身につきます。モンテッソーリ教育の算数教育では最終的には簡単な計算も学ぶのが特徴です。

5.文化教育

モンテッソーリ教育の文化教育では歴史や地理、動植物などについて幅広く学びます。小学校の社会科や理科に相当する分野についての基礎を早い段階で身につけられるのが特徴でしょう。

文化教育で用いられる代表的な教具には世界地図パズルがあり、自分たちが暮らす世界や日本がどういうものなのかに触れられます。また、日本列島のパズルでは、北海道や東北、関東などの8つの地方を正しい形にはめ合わせて日本の地域を覚えます。それぞれの県が色分けされているので、日本には地方と県があることを子どもたちはおのずと学んでいくのです。

この他にも小学校に上がる前から時間という概念を学び、時計の読み方も習得します。

モンテッソーリ教育を行う保育園の特徴

モンテッソーリ教育を行う保育園では一般的な保育園とは異なるいくつかの特徴が存在しています。ここでは 『縦割りクラス』『お仕事の時間』『年間行事』についてそれぞれ説明しています。

縦割りクラス

一般的な保育園では0歳児や3歳児、5歳児のうように年齢ごとにクラス分けが行われますが、モンテッソーリ教育の保育園では異年齢混合の縦割りクラスが編成されます。

ただし0歳児や1歳児の赤ちゃんは年上の子たちと同じクラスにするのが難しいので、基本的には2歳半から6歳までの年齢の違う子どもたちがひとつのクラスで生活を行います。縦割りクラスのメリットは子どもたちがお互いから学び、社会性や協調性を自然に身につけられることです。

年上の子どもたちは年下の子どもたちのお世話をしたり、教えてあげたりすることで優しさや思いやりを学びます。また、年下の子どもたちは年上の子どもたちのマネをすることで、以前にはできなかったことができるようになるのです。

おしごとの時間

モンテッソーリ教育では『おしごと』と呼ばれる独特な体系の教具を使った活動の時間が設けられています。0歳児の赤ちゃんから6歳児の子どもまで全ての園児が毎日の保育時間の中で『おしごと』を行うのが特徴です。

『おしごと』の時間の目的は教具を使って自己形成を行うことにあります。子どもたちは教具を使った活動をすることで、それぞれの発達段階に合わせて感覚や言語、算数、文化などを身につけていくのです。

1日の保育時間の中に1時間半から3時間程度の『おしごと』の時間が設定されています。1日中『おしごと』を行うわけではなく、『おしごと』の時間の他に自由時間も設けられているので、子どもたちはのびのびと遊び回ることもできるでしょう。

調整された年間行事

モンテッソーリ教育を行う保育園では、年間行事に割く時間が他の保育園と比べて調整されているのが特徴です。

モンテッソーリ教育を行う保育園でも運動会やお遊戯会、クリスマス会や遠足などの行事は行われています。この点に関しては一般的な保育園と同じといえるでしょう。しかし、年間行事に割く時間は控えめに調整されているので、運動会やお遊戯会の練習はあまり行われません。これはモンテッソーリ教育では、 子どもたちが日常生活から得る学びを大切にしているからです。もちろん年間行事からも子どもたちが学べることはたくさんあるので、モンテッソーリ教育でも時間を一般の保育園よりも抑えながら実施します。

また一般的な保育園とは異なり、年間行事の派手さや見栄えを気にしていないのも特徴のひとつです。全ての保育園で年間行事が調整されているわけではありませんが、年間行事に控えめな傾向のある保育園が多いようです。

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