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かかる経費と削減方法

保育園経営を考える際に、必ず知っておかなければならないのが、保育園経営にかかる経費です。どんな経費があるのかを見ていきましょう。

保育園経営にかかる経費

保育園の経営にかかる経費には、次のようなものがあります。

・人件費  

保育士などの給与、福利厚生費

・広告費  

園児募集や、保育士募集などにかける費用。チラシ印刷代や求人広告掲載費など

・賃料  

園舎と土地を借りている場合は、その賃料

・消耗品費  

おもちゃや工作の材料、医薬品など

・水道光熱費

・傷害保険、賠償保険料  

園児の事故などに備えた保険料
 

上記にあげたのは、開設後のランニングコストとなりますから、保育園をゼロから開設するのであれば、初期経費として園舎の建設費用や内装費用、採用費用、園児募集のための広告費なども必要です。

赤字園と黒字園で経費の何が違う?

独立行政法人福祉医療機構が公表している平成27年度の保育施設の経営状況に関する分析データを見てみると、保育園の収支のうち最も大きな支出となっているのが人件費で約7割を占めていました。

赤字施設と黒字施設でこの人件費を見てみると、赤字保育園は、支出のうちの人件費率が78.9%と、黒字施設の69.3%よりも9%以上も多い傾向にあり、経営の良し悪しを左右するものとして人件費が大きな存在になっていることがわかります。こうしたデータを見ながら、ご自身の経営する保育園と比較してみてはいかがでしょうか?

参考:『平成27年度保育所の経営状況について』独立行政法人福祉医療機構
http://www.wam.go.jp/content/files/pcpub/top/scr/16012_report0113(2).pdf

保育園経営の経費を削減するには?

それでは、保育園経営の経費を削減するには、一体どのような対策をすればいいのでしょうか?保育園経営にかかる経費ごとにコスト削減の方法を考えてみましょう。

人件費

保育園経営において、大きな割合を占める人件費。 保育園開設にあたって、職員配置の基準があることなどから人件費削減はなかなかしにくいところがあるかもしれません。保育園の経営において、保育士さんは必須。そのため、人件費はどうしてもかかってしまう経費です。コスト削減を考えるとしたら採用コストをいかに抑えて、今いる職員を効率的に配置するかという点を考える必要があります。

例えば、給与面では待遇が上げられないとしても、保育士に対するキャリアパスを提示できたり、多様な働き方を提案できたりする保育園は職員の定着もしやすく、採用コストが抑えられます。慢性的に人手不足となれば、多少給与を高くしないと人材が集まらないという現状もありますから、保育園経営においては「ここで働きたい!」と思わせる魅力作りも大切です。

広告費

園児の募集のためにかける広告費も、最近ではチラシの作成ではなくFacebookなどのSNSを活用する方法で大幅に削減できる可能性があります。また、ブログなどお金をかけずに運営できる情報発信方法もありますので、デジタルを駆使して有効に情報発信ができるよう体制を整える必要があると言えるでしょう。

また、保育士募集にかける求人広告費も意外とバカにならない経費です。求人広告や求人サイトなどへの掲載費用はもちろん、面接などにかける時間も大きいものです。求人広告費をかけないためには、今いる職員の定着率を高めることも大切なポイントです。例えば、求人広告に毎月10万円かけている保育園と1年で1回しか求人広告を出さない保育園では、それだけで広告費が100万円近く変わってきます。 今いる職員を大切にすることが、結果的に保育園経営の経費削減にもつながっていくのです。

消耗品費

工作で使う折り紙や色紙、掃除用品など、消耗品費は保育園経営でも必ず必要となるものですよね。 これらを少しずつ削減するためには、日頃の努力がものを言います。ネット通販などを上手に活用したり、写真の印刷は安いネット通販を使ったりするのもいいでしょう。

また、職員間でコスト意識を徹底させることも大切です。

経費削減に走りすぎて質を低下させるのは本末転倒!

保育園経営を続ける上では、常にコスト意識を持って経費削減をしていくことがもちろん求められます。一方で、経費削減を追い求めて、保育の質を低下させることは本末転倒。質の悪い保育を提供している保育園は、口コミという形でいずれ、園の評判を落としてしまいます。 また、何よりも園児たちのためにもなりませんよね。

だからこそ、経費削減と質の確保は常にバランスを意識しながら取り組む必要があります。コスト削減は、アイデア次第というところも多いにあります。時代に合わせた広告や採用活動をするなど、積極的に「使えるものは使う」ことでコスト削減を考えてみてはいかがでしょうか?

小規模認可保育園の運営費はどれくらい?

小規模認可保育園の運営にかかる費用

小規模とはいえ、保育園の運営費内訳は非常に複雑です。

わかりやすいところからかいつまんで解説すると、まず保育園を運営するには人件費がかかります。

保育士の経験や年齢、雇用形態によってそれぞれの保育士が受け取る収入は変わってきますが、すべての保育士に支払う人件費は、小規模認可保育園の場合給料手当で24,400,000円ほどといわれています。賞与は5,000,000円程度、法定福利費が約3,400,000円です。

次に水道光熱費

水道料金は年間で約155,000円、電気代が約400,000円、ガス代が約110,000円程度。 これは地域によって前後すると思います。

そのほか最近では英語の講座を講師に依頼する保育園もありますので、こうした講師への謝礼金が年間約550,000円、そのほかにかかる雑役務金や諸謝金で約2,000,000円、保育士などの従業員の通勤交通費が約360,000円かかります。

保育園運営にかかる費用はまだまだあります。

お泊り保育などの旅費交通費が約400,000円、給食の材料費が約1,500,000円、保育材料費が150,000円、福利厚生や保健衛生費が合わせて700,000円、通信運搬費、会議費が約330,000円…。

ほかにも、事務用品費、新聞図書費、修繕費、消耗品費、研修費、家賃がある施設であれば家賃など、実にたくさんの内訳があり、それぞれの運営費がかかります。

全部を合わせると、年間で約44,000,000円と推測できます。

こうした運営費は、利用者から徴収する保育料から賄われるのが基本ですが、小規模認可保育園の場合、運営費について補助金を受けることができる点がメリットです。

運営費の経費削減という考え方は正しいのか?

どの業界でも同様ですが、事業運営については経費削減という概念がつきものです。 保育園運営の場合も、保育料や補助金だけでは十分な予算が取れず、節約を余儀なくされているところも少なくありません。

しかし、育ち盛りの子どもたちの保育を行う上で、経費削減に対してあまりに注力しすぎるのは保育の質を低下させることにもつながっていきます。

特に最近問題になっているのが給食です。

子どもたちの給食が少ない、味が悪いなど、給食のクオリティが下がっており、子どもたちが十分なエネルギーを摂取できていないという問題がニュースになることも増えてきています。

子どもの食べる量や好みには個人差があるので、給食を充実させて残飯が出てしまうのであれば、給食を少なめにしようという考え方になってしまうようですが、必要以上の給食費削減は、保育園の信頼を失いかねません。

光熱費についても同様です。

真夏なのにエアコンを入れない、真冬なのに暖房を入れないなどの過度な節約は、子どもたちの健康状態を損ねる恐れがあります。

子どもたちが体調を崩せば、保育の質を問われることになり、結果保育園の信頼を失うことにつながってしまうのです。

保育園の経費削減については、経費を減らす、使わないようにするという考え方ではなく、無駄を省くという意識を持って取り組むことで、保育の質を維持しながら、運営費が多くなってしまうことを防ぐことが可能となります。

子どもたちが水道を出しっぱなしにしていないかこまめにチェックする、冷暖房を入れているときは保育室の扉をきちんと閉めておくなど、小さいことに気を配るだけでも、年間で考えると大きな節約につながるはずです。

こうした取り組みは小規模認可保育園だからこそ目が届きやすいので、まずは無駄を省くところから始めてみましょう。

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