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認証保育所の経営

東京都独自の基準で設置された、認証保育所の特徴と経営にあたっての条件・注意点についてまとめました。

認証保育所とは

認証保育所とは、東京都が独自に創設した制度。現在の認可保育所だけでは応えきれない大都市のニーズに対応するため、2001年よりスタートしました。認証保育所には都独自の認証基準が設けられており、民間企業の参入・事業者間の競争を促進するものでもあるのが特徴。

大都市ならではの多様化するニーズとは

  • 産休明けからすぐに保育園を利用したい
  • 送迎が便利な場所に施設があってほしい
  • 残業などにも柔軟に対応してほしい
  • 自治体など行政に認められた保育園に預けたい

などが挙げられます。そのため、認証保育所は駅から近い立地が原則。認可保育園より開所時間を長くし、残業や退社時間の遅い保護者にも対応しています。

また、すべての施設で0歳児保育を実施しているのも強みです。施設を利用するには自治体を通すのではなく、各保育所に直接申し込みます。

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認証保育所の設置基準

認証保育所の設置基準は、一般的な認可保育園よりもゆるやか。A型(駅前基本型)とB型(小規模、家庭的保育所)の2種類があります。

/ A型(駅前基本型) B型(小規模、家庭的保育所)
入所対象 0~5歳 0~2歳
規模 20~120名 6~29名
施設基準面積
(0・1歳児)
3.3m2 2.5m2
開所時間 13時間
施設基準 認可保育所の基準に準ずる
職員
(保育従事職員)
認可保育所と同様の配置基準。ただし常勤職員(保育士等)は6割以上
施設長 保育士資格を有し、かつ児童福祉施設等の勤務経験を有する者
保育料 自由設定(ただし上限あり)

認証保育所として認められると、自治体による運営費の補助を受けられます(補助対象契約児童数×年齢別補助単価)。

認証保育所を経営するための注意点

東京都認証保育所を開業するには、「保育所を設置する市区町村による東京都への推薦」が必要です。市区町村が「この保育所を認証保育所にして欲しい」と申し出てくれなければ、認証保育所として活動することはできません。推薦があれば、ほとんどの場合で東京都からの認証が下りるようです

認証保育所を開業したいという場合、2つの方法があります。

1つは認可外保育所からスタートすること。認可外は特例を除いて補助金が出ないため、収入は保護者からの保育料のみとなります。しかし、認可外保育所としての活動が認められ、東京都からの立ち入り調査(監査)でもよい評価を得られれば、認証保育所への道も近づくというものです。

もう1つは、実績あるコンサル会社や実績あるフランチャイズに加盟すること。しっかりと面倒を見てくれて文句のない実績がある会社がついていれば、推薦が下りる可能性も高まります。

認証保育所として認められるための条件を踏まえつつ、待機児童の解消・保育の質の向上を目指して経営を行っていくようにしましょう。

認証保育所のメリットとデメリット

認可保育園の新規設置が、場所の確保などの面から難しいと判断された場合の、東京都が独自に設けた認証保育所。経営する側として、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。これから認証保育所の経営を考えている方のために、経営面でのメリット・デメリットをまとめてみましょう。

認証保育所のメリット

認証保育所のメリットをみていきましょう。

保育料を自由に設定できる

まず認証保育所のメリットとして挙げられるのが、保育料を自由に設定できる点です。 保育料は、保育所の主たる収入源です。採算の合う保育料を、あれかじめ自由に保育園側が決められるので、賃料などに合わせて保育料を決め、経営計画が立てやすいと言えるでしょう。

認証保育所を利用する家庭への補助金もある

保護者の収入に合わせて保育料が決められる認可保育園とは異なり、自由に価格設定できる認証保育園は、価格競争の点でデメリットになるのではと考える方もいるでしょう。 すべての区ではありませんが、区によっては認証保育園に子どもを預ける世帯に対して、補助金を給付しているケースもあります。 こうした補助金が活用できることがきちんと伝われば、価格競争で認可保育園と比較されることは減っていくと期待できます。

設置基準が認可保育園よりも低い

認証保育園の設置基準は、A型とB型で施設基準沿線や入所対象、定員などが異なるものの、大規模認可保育園よりも基準はゆるやかと言えます。

特に東京都のように都市部の場合、物件の市場価格も高く、園庭などの用地を確保することは簡単ではありません。その点、認証保育所なら要件を満たすことが、認可保育園と比べて簡単と言えるでしょう。新規参入しやすいというメリットは大きなものがあります。

独自の保育がしやすい

認証保育園は少人数制保育のため、大規模保育園と比べてよりきめ細やかに、独自の保育方針を打ち出しやすい点も大きなメリットです。 例えば、英語教育に力を入れる認証保育園が多いのも特徴の一つです。

認証保育所のデメリット

次は認証保育所のデメリットもみていきましょう。

助成金が少ない

認証保育園も、認可保育園と同じく事業所に対して一定の助成金が行政から支給されます。 不動産取得税や固定資産税・土地計画税(23区内のみ)、事業所税(23区内のみ)といった都税も全額減免されます。

とはいえ、受け入れる子ども一人当たりで支給される「負担金補助交付金」は、定員61~70人以下の園の場合、0歳児で約11.7万円。1~2歳児では約7.2万円です。一方で認可保育園の場合、60名規模の認可保育園では、補助金は児童10人あたり0歳児で210万円、1~2歳児で135万円。

運営補助金だけでも、実に年間児童10人あたり100万円近い補助額の差が生じています。

このように、助成金が少ない点は大きなデメリットと言えるでしょう。とはいえ、待機児童問題解消に向けた政府の施策は、毎年少しずつ変化しています。補助金事情は、今後変わる可能性もありますので、引き続きチェックしていきましょう。

参考:『認証保育所運営費等補助経費』東京都福祉保健局ウェブサイト
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/hoiku/ninsyo/syosai.files/29beppyou.pdf

保育士の確保・キャリア育成がしにくい

認証保育園は認可保育園よりも補助金が少ないことも影響し、保育士への待遇面でもデメリットが生じます。例えば、東京都が向上している「保育士等キャリアアップ補助金の賃金改善実績報告書」によれば、認証保育園の月額賃金はおよそ26.3万円。一方で、認可保育園では31.2万円と実に5万円近くの差が生じています。

ただでさえ保育士の不足が叫ばれる中で、保育士の待遇を認可保育園並みに改善できなければ、保育士確保という点ではデメリットが多いといえるでしょう。

保育園の種別に見た平均勤続年数も、認証保育園の場合最も多いのが3年、ついで2年と勤続年数が短い傾向にあります。認可保育園の勤続年数で最も多いのが10年ということと比較して考えても、保育士のキャリア育成がしにくいことを物語っていると言えます。

参考:『保育士等キャリアアップ補助金の賃金改善実績報告書等に係る集計結果』東京都福祉保健局ウェブサイト
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/02/20/documents/07.pdf

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